日本人フューネラルセレブラント

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最近見るようになったバスケットタイプの棺


初めまして。

シドニー在住、日本人フューネラルセレブラントのカーヴァー恵です。

 

「フューネラルセレブラント」とは 無宗教のお葬式の司式者 です。

 

欧米のお葬式=教会

と思いがちですが、オーストラリアのような欧米諸国では宗教にとらわれない葬儀をしたいという方が多く、特に私の住んでいるオーストラリアではセレブラントによる無宗教のお葬式が主流になってきています。

 

オーストラリアでは、お葬式は

Celebration of life(命を祝う式、機会)

つまり故人の命と一生をお祝いする場でもあるとよく言います。

私は最初それを知った時、それってすごくいいお葬式だろうなーと思いました。

 

お葬式と言うと悲しい日、最後のお別れという印象が先行してしまうけれど、大切な人の命と一生を祝う、自分たちがその人に関われたことを祝う、というポジティブな機会でもあると思いながらお葬式をする、参列するというのは素晴らしいことだと。

 

宗教式でも別にその想いがないわけではないと思いますが、無宗教のお葬式はこの祝う部分がより大きな意味を持ちます。

神や仏といった存在と故人との関係がないので、式の中でそうした存在を称えたり、彼ら(?)に関する話もありません。

だから故人の人生や功績を称えることが式の大きな内容の一つなのです。

 

でも、私が日本で育ってきて、そして今迄にオーストラリアで経験した「お葬式」のイメージはそれとは遠いものでした。

私はお寺の孫で、子供の頃に祖父母の家(お寺)に行くとよく葬式饅頭(葬式マドレーヌなんてのもあった)とか蓮の花ののしがかかった箱のお菓子なんかがおやつに出てきて、死んだ人のためのお菓子を食べるなんて、と思って怖かったことがありました。(食べたけど。笑)

他にも喪服、物々しい霊柩車、顔にかける白い布など、そしてオーストラリアでも初めての土葬に立ち会った時の埋めるということへの抵抗とか、私の中のお葬式のイメージにはどうしても悲壮感、ちょっと怖い感じ、ネガティブな感じが付きまとっていて、セレブレーションって言ってもなあ。。。と言う感じでした。

 

私はもともとマリッジセレブラントという無宗教の結婚式の司式者で、その中で結婚式もお葬式も状況は違えど門出の儀式だとは思い始めていて、知り合いのセレブラントにも「恵もフューネラルセレブラントやったら?」と言われていました。

でもお葬式の司式者を務めるのは躊躇していたんです。
結婚式とは全然違うし、と。
自分の中のお葬式に対するネガティブな感情も、躊躇した理由として確実にありました。

 

ところがある日気づいたこと。。。

 

セレブラントって英語だと

Celebrant

祝いを意味する

Celebration

を執り行う人ってことなんだ!

 

何年もやっていたのに、言葉の意味に関しては考えたことがなかったんです。

でもこの意味に気づいた時「お葬式で人生を祝う、つまりセレブレーション、だからセレブラントが式を執り行う」という事実が急に当然のことに思え、急にCelebration of lifeの部分がしっくりきました。

今迄理屈で分かっていたことがもっと現実味をもって心に響いた感じでした。

 

そしてそう思った時に背中を押されたというか、それなら結婚式の経験を生かしてお葬式もできるんじゃないかと思ったんです。

それから色々と実際にオーストラリアでのお葬式について読んだり調べたりして行くうちに、自分のお葬式に対するネガティブな思い込みが薄れていきました。

 

という訳で、フューネラルセレブラントになりました。
死を悼むことはもちろんですが、同時に生を祝うお葬式を、心を込めてご遺族と一緒に作り上げていきたいと思っています。

 

ウェブサイト:

megumicarver.com